以前の記事で、家族信託で銀行口座預金を信託財産にできる?について書きました。

今日は、民事信託と口座開設についてです。

預金も信託財産にすることはできる

信託法でいうところの『財産』とは、財産的価値があり、金銭評価できるもの(信託法2条)であればいいわけですから預金についても信託財産になります。

そして預金口座で信託財産を管理する場合には、信託口口座を作成する必要があることを以前の記事でご紹介しました。

もう一度説明しますと、信託口口座とは、受託者(財産を管理する人)が委託者(財産を託す人)から信託された金銭を管理するための口座です。
この口座は、受託者のものでも、委託者のものでもありません。

信託口口座は以下のような機能を有していることが必要です。

・受託者個人への債権者(お金を貸している人など)は、信託財産に対して差し押さえはできない

・委託者、受益者の死亡により口座は凍結しない

また信託口口座は受託者の相続財産ではないため、受託者の死亡によって口座凍結されないのが原則です。

*実際には、そのあたりの信託口口座の性質について金融機関が把握しておらず、相続によって口座凍結されてしまう恐れもあるので注意が必要です。

金融機関との交渉

実際に信託口口座を開設する際には、銀行側との交渉調整は欠かせません。

そもそも信託口口座の開設ができない金融機関もあることから、そのあたりのリサーチをしたうえで交渉調整に入る必要があります。

開設する金融機関が決まったら、通常は、契約書案を金融機関に送りチェックしてもらいます。

金融機関によっては、リスク回避のため、指定専門家のリーガルチェックなどが入ることがあります。

金融機関側が指定の条項を入れるように求めてきたりすることもあります。

金融機関によっては、信託契約書は公正証書で作成することを求めてくるところもありますし、場合によっては当初予定していた金融機関以外で作成する可能性もあるため、信託契約書は公正証書での作成が望ましいです。

公正証書で作成すれば、一定基準の証明力が認められますし、原本も公証役場で保管してくれます。

後の紛争予防の視点から見ても公正証書が望ましいでしょう。

 

太田合同事務所では、家族信託も取り扱っております、「家族信託そうだん窓口」で詳しく書いていますので、そちらも是非ご覧ください。

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