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司法書士
このページでは、認知症対策をお考えの方やその親族の方へ向けて、任意後見制度や任意後見人、それに付随する契約についての概要メリットデメリット費用などをわかりやすく説明をしています。

任意後見制度について

任意後見は、ご自身が認知症になった場合などを心配する人が、公証役場で公正証書として、受任者(将来の自分の後見人になる人)と任意後見契約を締結します。

この段階では、任意後見契約はまだ効力がありません。契約は結んだけど眠っている状態です。

その後、実際に本人が認知症などで判断能力が衰えてきたら、家庭裁判所に申し立て(予約した後見人が就任するための手続き)をします。

任意後見は、任意後見契約で付与された範囲内で、財産管理や法律行為を裁判所から選任された監督人による監督の下で、行う行為です。

いわば任意後見制度は、後見人の予約ともいえる制度です。

法定後見との違い

通常の法定後見だと、実際に判断能力が落ちてから(認知症になってから)でないと、後見人はつきませんし、後見人になるのは、専門職になることが多いです。

実際に、法定後見では親族が後見人に選任されたのは、全体のうちの19.7%です。(最高裁判所令和2年度調べ)

専門職が後見人になる場合には、司法書士、弁護士、社会福祉士、社会福祉協議会の順に多いです。

法定後見では、後見が開始されるまで、本人(認知症になった人)のことを知らない人が後見人になります。

任意後見では、認知症になる前から、本人をよく知る人(親族、知人、本人の希望する人)が後見人になりますので、法定後見にはない安心感があります。

もちろん任意後見契約を結ぶか否かもご本人(判断能力がある)の意思次第ですので、納得したうえで、後見手続きをスタートできるメリットもあります。

後見制度とは?

後見制度について記載したブログ記事です

後見人とは?なるための要件は?

後見人について記載したブログ記事です

認知症の方の後見人の義務はなに?

認知症の方の後見人の義務はなに?について記載したブログ記事です

後見監督人の職務は?後見人との違いについて

後見監督人の職務と後見人との違いについて記載したブログ記事です

後見申立権者と後見候補者について

後見申立権者と後見候補者についてについて記載したブログ記事です

任意後見人の権限は?法定後見人との違い

任意後見人の権限と法定後見人との違いについて記載したブログ記事です

任意後見人について

先の任意後見契約で任意後見になる予定の人を「任意後見受任者」と呼びます。

任意後見人になるのは、実際に本人が認知症などになって裁判所に申し立てをした時です。

任意後見人の資格

任意後見人は資格の制限がなく誰でもなれますし、本人が自由に決めることができます。

子供や甥、姪、知人友人などでも大丈夫ですし、もちろん司法書士などの専門職でもなれます。

そして、任意後見人は、できればご本人よりも若く10歳以上は年下であることが良いとされています。

任意後見人の役割

任意後見人の役割として、身のまわりの保護として、生活に関する手続き、介護サービス契約、入退院の手続きや費用支払いなどがあります。

また財産管理として、お金をおろして本人に届けたり、施設、病院への支払い、年金の管理、家賃地代の支払い、などがあります。

逆に、任意後見人に出来ない事として医療同意(注射、輸血、手術などの同意)、延命治療、尊厳死などの同意はできませんし、看取りの場面でも法的権限はありません。

ただこれらの同意権限はなくても、認知症になる前にご本人から聞き取りをして、本人の希望を医療関係者や介護関係者に伝える役割は有ると言えます。

実際に任意後見人がどこまで代理をしていくかは、任意後見契約の中で「代理権目録」に定めていくことになります。

任意後見人の解除

任意後見契約を結んだとしても、実際にご本人が判断能力があるうち(後見契約が発効される前)は、本人が希望すれば契約を解除できます。

しかも一方的に解除(公証人の認証書面が必要)もできますので、後見人になる予定の人とコミュニケーションを重ね、信頼関係が築けないと判断したならば、解約すればいいため、ご本人も安心して契約できると思います。

任意後見人に不正行為などがあった時も、任意後見監督人(裁判所から選任された任意後見人を監督する人)、本人、その親族又は検察官の請求により任意後見人を解任できます。

またご本人が認知症になった後は、ご本人には解除できる判断力がありませんので、裁判所の許可と解任する正当事由が必要になります。

任意後見監督人について

ご本人が認知症等になり、任意後見人が正式に就任すると、裁判所が任意後見人を監督する「任意後見監督人」を選任します。

任意後見人が役割を行う中で、悪さをしていないか、定期的に報告を求めたり面談をしたりします。

任意後見監督人を通して裁判所は、任意後見人をチェックするわけです。

任意後見人は不正を行っていると、任意後見監督人から裁判所へ解任の申し立てをされます。

任意後見契約の効力について

任意後見契約の効力ついて記載したブログ記事です

メリット

・元気なうちに後見の予約(認知症保険)ができる

・自分で後見人を選べる

・契約内容の融通が利く(解約も比較的容易)

デメリット

・既に認知症(まだら)だと契約ができない

・任意後見人が死亡したり、解任されると法定後見に移行する

任意後見人制度のデメリット

任意後見制度のデメリットついて記載したブログ記事です

費用

任意後見契約書の作成(初期費用)

【司法書士報酬】(弊所の場合)

・20万円~(弊所が後見人になる場合)

・33万円~(親族が後見人になる場合)

*契約条項(契約の種類の数)に応じて変わります

【公証役場の手数料】

・2万円~3万円(契約書類の枚数、公証人の出張等で変わる)

後見申し立ての費用(認知症になった時の費用)

【司法書士報酬】

・15万円(弊所の場合)

【裁判所費用】

・5470円(収入印紙、切手代等)

【医師の診断書作成費用】

・数千円~数万円(医師により変わります)

・上記とは別に、裁判所が鑑定が必要と判断した場合には、鑑定代10~20万円程度

*鑑定とは、本人に判断能力があるかを医師などの専門家が調査をすることです。

後見開始後の継続費用

【司法書士報酬】

・月額3万円~(契約書に内容を盛り込みます)

*資産額が5千万円までは3万円、5千万円から1億円なら4万円、それ以上だと5万円です。

*資産総額が上がるにつれ、管理する資産の種類や手間が増えるためこの金額です

任意後見契約の費用について

任意後見契約の各手続き費用ついて記載したブログ記事です

見守り契約とは

親族ではない第三者(専門職等)が任意後見人になる場合に、定期的に自宅に訪問したり、電話などで連絡することによって、心身の状態や生活状況などを確認するための契約です。

ご本人の身近に頼れる人がいない場合には、この契約が意味のあるものになります。

また見守り契約期間中にご本人と任意後見人になる予定の人が面談を繰り返し、コミュニケーションを重ねることで、ご本人と信頼関係を築き、きたる任意後見契約の発動に備えます。

面談の中でご本人の終末期の希望や死後の希望を少しづつ聞き取り、エンディングノートのような形で記録しておき、時が来た時にご本人の希望に沿うサポートができるようにします。

任意後見契約が発動した後は、そちらの契約に移るため見守り契約は終了します。

メリット

・何かあってもすぐに連絡が取れて、対応してくれる

・任意後見にスムーズに移行できる

・任意後見人になる予定の人が自分に合うか、チェックできる

デメリット

・定期的に自宅訪問がある

・親族が後見人の場合は使いにくい

見守り契約とは?どんな内容?

見守り契約の内容について記載したブログ記事です。

費用

見守り契約書の作成費用(初期費用)

【司法書士報酬】

・5万円(弊所の場合)

【公証役場手数料】

・2~3万円程度(公正証書で作る場合)

*必ずしも公正証書である必要はありません

継続費用(認知症になる前)

【司法書士報酬】

・3千円(ご本人が来所または電話連絡の場合)

・1万円(ご自宅へ訪問する場合)

*報酬規程も契約内容に盛り込みます

見守り契約の費用について

見守り契約の費用について記載したブログ記事です。

財産管理等委任契約とは

ご本人が高齢で体力が衰えたり、病気やケガなどで銀行などの金融機関に行くことができない場合に、本人から委任を受けて、通帳などを預かり、入出金の管理などの手続きを行う契約です。

この契約はあくまで、ご本人の判断能力がしっかりしている段階での契約です。

契約内容も自由ですので、例えば、身のまわりの日常生活で使う現金、預金は自分で管理して、特定の金融機関の通帳のみ管理してほしいとか、いった、一部の資産のみ管理するなどもできます。

また、財産面だけでなく、役所の諸手続きや入院、施設の入所の契約、介護サービスの契約解約などを契約内容に盛り込むこともできます。

財産管理等委任契約書は、金融機関の手続きで使用する関係で必ず公正証書で作成することをお勧めします。

「資産管理は、自分でしたい」という方や身近に管理してくれる、信用できる人がいる、などという人は特に必要ない契約です。

この契約も見守り契約同様、任意後見契約が発動すると終了して、任意後見契約に移行します。

財産管理等委任契約とは?

財産管理等委任契約とは何か?について記載したブログ記事です。

財産管理等委任契約をした際の銀行手続きの注意点

財産管理等委任契約をした際の銀行手続きで、注意することについて記載したブログ記事です。

メリット

・煩わしい行政手続きや銀行手続きの手間が減る

・専門職が管理者になることで資産を正確公平に管理できる

・契約内容に融通が利く

デメリット

・任意後見契約が発動する前から、財産管理をしているので管理者によっては本人が認知症になっても、後見契約を発動させない危険性がある

・公正証書で作る必要性がある

費用

財産管理等委任契約書作成費用(初期費用)

【司法書士報酬】

・5万円(弊所の場合)

【公証役場手数料】

・2~3万円程度(公正証書)

継続費用(認知症になる前)

【司法書士報酬】

・月額3万円~(契約書に内容を盛り込みます)
*資産額が5千万円までは3万円、5千万円から1億円なら4万円、それ以上だと5万円です。

*資産総額が上がるにつれ、管理する資産の種類や手間が増えるためこの金額です

*この他にも入院退院、施設入所などの手続きがあった場合などには、費用が上がります。

*報酬規程も契約内容に盛り込みます

死後事務委任契約とは

上で説明した、任意後見契約はご本人が死亡すれば、契約が終了します。

しかしご本人の死亡後であっても、事務手続きはあります。

例えば、施設や病院で死亡した場合の未払いの施設利用料、入院費の支払い、遺体の引き取り、葬儀(そもそも葬儀をするのか?)、火葬、納骨、永代供養をするのか?、居住していた施設の片づけ、遺品整理など事務手続きは多岐にわたります。

死後事務委任契約では、任意後見契約ではカバーしきれない、これらの事務手続きを委任する契約をしておきます。

生前対策の一つとして、遺言書作成がありますが、遺言書では法的に効力を発生させることができる事項(法定事項)は、決まっているため死後の事務手続きの全てをカバーしきることはできません。

もちろん遺言書を作成することは、資産管理の点からは必要不可欠ですが、例えば身近に頼れる親族がいないとか、おひとり様の方は、死後事務委任契約をする意味があると言えるでしょう。

通常、死後事務委任契約はご本人の判断力がある元気な時に、任意後見契約と一緒に契約します。

契約書は、契約内容が固まった状態であれば、公正証書で作成します。

メリット

・遺言書ではカバーしきれない死後の手続きをカバーできる

・認知症になる前のご本人の希望を反映させられる

・煩わしい死後の手続きを一括して任せられる

デメリット

・身近に頼れる人が、いない人でないと必要性がない

・遺産相続のことについてはカバーできない

死後事務委任契約のトラブル

死後事務委任契約のトラブルについて記載したブログ記事です。

費用

死後事務委任契約書作成費用(初期費用)

【司法書士報酬】

・5万円(弊所の場合)

【公証役場手数料】

・2~3万円程度(公正証書の場合)

死亡後の事務手続き費用

【司法書士報酬】

・~70万円

*上限を70万円とし、事務手続きの種類と数に応じて費用が変わります

*報酬規程も契約内容に盛り込みます

死後事務委任契約の費用について

死後事務委任契約の費用について記載したブログ記事です。

死後事務委任契約で口座の解約手続きできる?

死後事務委任契約の銀行口座の解約手続きについて記載したブログ記事です。

最後に

以上が任意後見契約とそれに付随する契約の概要になります。

実際に契約を結ぶとなると、当事者の方に合わせて、オーダーメイドの契約書を作成していくことになります。

任意後見契約とそれに付随する契約は、ご本人が判断力がある時期からその方が死亡して遺産相続や死後の手続きが終わるまで一連の流れをすべて関与していくことになります。

ご本人の判断力がしっかりしているうちに、自分の死後の手続きまで任せられる信頼できる人(親族、知人友人、専門職)を探し、契約を結ぶわけですから、ご自分でできるとても有効な認知症対策です。

認知症対策を検討されている方は、任意後見制度があることを頭の片隅に置いていただけると幸いです。

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