不動産が信託財産だと登記が必要

信託契約をすると、委託者(財産の所有者)から受託者(財産を管理する人)に所有権が移転します。

その際は、所有権移転登記が必要になるのですが、それと一緒に信託登記を申請します。

なぜ一緒に申請するのかというと、「信託目録」という、信託契約の内容を表示した目録を作るためです。

信託登記に期限はあるのか?

相続登記は令和6年4月1日から義務化されましたが、信託登記は相続登記のような義務化の対象ではなく、法律上の明確な期限は定められていません。

信託契約を結んだ場合、所有権移転登記と信託登記を申請する義務についての明確な期限は法律上定められておらず、あくまでも第三者対抗要件(登記しなければ信託の権利を第三者に主張できない)です。(信託法14条)

ただし、期限がないからといって後回しにするのは危険です。
信託登記をしないままでいると、対外的に「誰が財産を管理しているか」が公示されず、受託者が実際に不動産を管理・処分しようとした際に、登記名義がなければ、受託者が手続きを進めることが出来ません。

信託契約を結んだら、できるだけ早いタイミングで登記を済ませておくことをお勧めします。

信託法|e-GOV法令検索

司法書士 太田徹

当事務所で信託契約を結び、不動産登記手続きまで行う場合には、公証役場で契約締結する際に登記手続きに必要な書類にもサインをしてもらい、なるべく迅速に登記申請するようにしています。

信託目録の内容

上記で書いた、信託目録の記載事項には、例として下記のようなものがあります。

・信託の目的

・信託財産の管理方法

・信託の終了事由

・その他信託条項

信託目録の記載でよくある失敗

信託目録は法務局に登記され、誰でも閲覧できる公開情報になります。
そのため、記載内容には注意が必要です。

信託契約書には、受益者の氏名や信託財産の詳細な内容、家族間の取り決めなど、プライバシー性の高い情報が含まれることが多く、これをそのまま目録に記載すると、その情報が公開されてしまいます。

目録に記載する内容は、契約書の内容を要約し、公示する必要のある範囲に絞ることが重要です。どこまで書いて、どこを省略すべきかの判断には専門的な知識が必要になるため、司法書士に相談しながら作成することをお勧めします。

信託登記の必要書類

・登記原因証明情報

・委託者(現所有者)の登記識別情報
*不動産の権利証のことです

・受託者(財産を管理する人)の住所証明情報
*住民票等です

・委託者と受託者の委任状
*司法書士へ依頼する場合に必要です

・委託者の印鑑証明書(作成後3か月以内のもの)

・信託目録へ記録すべき情報
*この目録で、信託契約書の記載事項を引用してしまうと、プライバシー性の強い情報まで公示される(登記情報は誰でも閲覧できてしまうため)ためこの書類は作成時には注意が必要です。

信託登記を自分で行うことはできるか

登記手続きは、相続登記と同じく、ご本人(委託者・受託者)が自分で申請することも法律上は可能です。

ただし、信託登記は通常の所有権移転登記と異なり、「信託目録」という独自の書類を新たに作成する必要があります。前述の通り、この目録の記載内容には専門的な判断が必要な部分が多く、記載に不備があると、後日の対応で支障が出るおそれがあります。

相続登記であれば戸籍集めなど自分でできる部分もありますが、信託登記は目録作成という専門性の高い作業が中心のため、司法書士へ依頼するケースが多いのが実情です。

太田合同事務所では、家族信託も取り扱っております、「家族信託そうだん窓口」で詳しく書いていますので、そちらも是非ご覧ください。

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