以前の記事で、家族信託は認知症対策になる?について書きました。

今日は、家族信託で銀行口座預金を信託財産にできるのか?についてです。

信託の対象になる財産の種類は?

そもそも信託財産とは、どんな財産を言うのでしょうか?

家族信託の基になっている、信託法では以下のように規定しています。
『この法律において「信託財産」とは、受託者に属する財産であって、信託により管理又は処分をすべき一切の財産をいう。』(信託法2条3項)としています。
受託者というのは、平たく言えば、信託財産を管理処分する人のことです。

また信託財産から派生した資産も信託財産と規定しています。
『信託財産に属する財産の管理、処分、滅失、損傷その他の事由により受託者が得た財産』(信託法16条1項)

「財産」と言うくらいですので、財産的価値があり金銭評価ができるものが信託財産になるということになります。

預金は家族信託の対象になる

上記の考え方によれば、預金も信託財産になることになります。

では実際に、預金口座にあるお金を信託財産にする場合には、どのような手続きが必要になるのでしょうか?

信託法には以下のような規定があります。
「登記又は登録をしなければ権利の得喪及び変更を第三者に対抗することができない財産については、信託の登記又は登録をしなければ、当該財産が信託財産に属することを第三者に対抗することができない。」(信託法14条)

信託契約上、信託財産としたものは、登記登録できるものについては登記登録をしないと、それを第三者に主張できませんよ。という意味です。

また信託法では分別管理義務というものがあります。
『受託者は、信託財産に属する財産と固有財産及び他の信託の信託財産に属する財産とを、次の各号に掲げる財産の区分に応じ、当該各号に定める方法により、分別して管理しなければならない。ただし、分別して管理する方法について、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。』(信託法34条)

受託者は自分固有の財産と信託財産をしっかりと分けて管理してくださいね、という義務です。

上記の規定は当然、信託財産である預金にも当てはまります。

委託者(信託財産を託す人)の預金を委託者の名義の口座で管理していては、受託者が信託財産である預金を管理できませんので、移動させる必要があります。

この場合には、受託者の銀行印で受託者名義の「信託口口座」を開設します。
信託契約書には信託財産として金●●●●万円として、当該金額を委託者の口座から信託口口座に入金することで、信託財産として受託者が管理していくことになります。

こうすることで、分別管理義務を果たすことになります。

信託口口座に入っている、信託財産は委託者の財産でも受託者の財産でもなく、あくまでも信託財産という固有の資産になります。

金融機関ではまだまだ、この信託口口座の開設ができないところが多いため、口座開設に手間取ってしまうケースが考えられます。
その際の対処として受託者の個人名義での口座開設で代替えすることも考えられますが、あくまで受託者個人名義の口座になってしまうため、受託者が先に死亡した時の口座凍結や差し押さえ等のリスクはついて回ります。

太田合同事務所では、家族信託も取り扱っております、「家族信託そうだん窓口」で詳しく書いていますので、そちらも是非ご覧ください。

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