以前の記事で、後見人と死後事務手続きについて書きました。
今日は、成年後見制度の見直しについてです。
成年後見制度の制度計画
厚生労働省は成年後見制度について、平成29年から令和3年までを第一期計画とし、令和4年から令和8年までを第二期計画として、制度の課題の発見と見直し検討をしています。
現在は第一期計画が終了し、第二期に入っています。
その中で第一期計画での課題について、以下のことをあげています。
・後見人選任後のご本人のニーズの変化に対応できていない
・後見人等がご本人の意思を尊重しない場合がある
・後見人の報酬が事務内容や専門性に見合っていない
・市町村ごとの報酬助成事業が異なる
・地域の連携ネットワーク(行政・福祉・法律専門職・家庭裁判所など)の整備が進んでいないこと
・担い手の確保
第二期に向けての制度見直し
第一期での課題を踏まえて、厚生労働省は制度見直しを進めています。
具体的には、後見の範囲を限定したり、期間を終身から有期という形に変えたり、ご本人のニーズに合わせて後見人を交代したり、後見人を現在ある後見・保佐・補助の3類型を一元化するなどです。
また後見人への適切な報酬付与のための報酬助成等の制度のあり方なども検討されていたり、地域連携ネットワークづくりの推進なども進められています。
上記の事柄が後の法改正にすべてつながるかはわかりませんが、もし上記のような改正があれば、他の制度(任意後見や民事信託)にも大きな影響を与えることは間違いないでしょう。
後見制度のことについても、「認知症対策そうだん窓口」で詳しく書いていますので、そちらもご覧ください。