今日は相続手続きでよく出てくる、遺産分割協議書の財産ごとの書き方についての解説です。

相続財産には、不動産、預貯金、現金、株式、車、貸金債権など多種にわたります。

財産の種類ごとに書いていきます。

 

不動産

(土地)

所在  A市S町一丁目
地番  1番1
地目  宅地
地積  100.21㎡

 

(建物)

所在  A市S町一丁目1番地1
地番  1番1
構造  木造スレートぶき2階建
床面積 1階 50.00㎡
    2階 50.00㎡

*不動産の場合には、原則登記事項証明書の通りに記載すれば問題ありません。

*未登記建物(登記されていない建物)は最新年度の課税明細書の記載通りに書くべきです。

 

預貯金

A銀行  B支店  普通預金  口座番号 1111111
~~~万円(相続開始日の残高)

B銀行  C支店  定期預金  口座番号 1111111
~~~万円(相続開始日の残高)のうち150万円

*預貯金は遺産分割の対象となる財産ですので、相続によって当然に分割される財産ではありません。(最高裁判所でもそのような取り扱いの判例が出ています、最判平29.4.6)

 

現金

1.相続人Aは、次の遺産を取得する

(1)現金 100万円

*現金も預貯金と同じく、相続人は、遺産分割までの間、現金を保管している他の相続人に請求できないという最高裁判例があります(最判平4.4.10)ので遺産分割協議の対象にするべき財産です。

 

1.Aは、次の遺産を取得する。

普通乗用車1台
車名 ITOESI
登録番号 愛知〇〇〇い〇〇ー〇〇
車体番号 第1111号
名義人 B

*車は法律的には動産(もの)ですので、疑義が生じないように(他の財産との区別がつくように)具体的に特定する必要があります。

*通常は自動車登録番号、車台番号の記載だけでいいですが、上記のように記載すれば、より丁寧です。

 

こちらの記事では、遺産分割協議書がある場合の相続登記手続きについて書いています。