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相続には様々な手続きがある

相続手続きをしなかった場合のデメリットのお話をする前に、相続手続きには主に以下のような手続きがあります。

★相続登記★
*不動産の名義変更

★金融機関での口座解約★
*銀行などでの被相続人名義の口座解約

★相続放棄手続き★
*被相続人に借金などがあって放棄する場合

★相続税の申告★
*遺産の総額が基礎控除額を超える場合に必要になる手続き

細かい話をすると、相続手続きは他にもたくさんあるのですが、上記で記載した手続きが主なものになりますので、今日はこれらの手続きを行わなかった場合にどうなるのか?について書きます。

そもそも手続きをする・しないを判断する際に、その手続きに期限があるのかどうかが重要だと思います。

人によっては、期限がないならそのまま放置してしまってもいいのでは?と思うかもしれません。

逆に、期限がある手続きには、往々にして期限を守らない場合のペナルティ(罰金)があるケースがほとんどです。

そこで期限がある手続きかどうかを確認する必要があります。

田合同事務所のサイトで相続手続きの期限についてまとめたページがありますので、手続きの期限についてはそちらをご覧いただきたいです。

相続登記をしなかった場合

まずは、相続登記をしなかった場合です。

相続登記は、2024年4月1日から法律で義務化されます。

義務化ですので、相続登記をしなかった場合には、ペナルティ(罰金)があります。

法律では「正当な理由なく義務に違反した場合は10万円以下の過料(行政上の罰金)の適用対象となる」としています。

の「正当な理由なく」というのが具体的に何を言うのかは定かではありませんが、手続きを阻害するようなこれと言った事情がないにも関わらず、手続きをせず放置している場合には、罰金の対象になりえると考えた方がよいでしょう。

金融機関での口座解約

続いては、金融機関での口座解約をしなかった場合。

亡くなった方名義の金融機関口座がある場合には、口座解約手続きをしなければ、そのお金を動かすことができません。

結論から言うと預金解約に期限はありません。

では逆に長期間放置をしているとどうなるのか?
長期間放置していると、休眠口座(10年以上取引がない預金)になりますが、最後の入出金から9年が経過し、預金残高が1万円以上の場合は、預け先の金融機関から登録されている住所に通知が郵送されます。

通知が届けば、その預金は休眠預金にはなりません。この通知はメールで届く場合もあります。メールの場合は宛先不明にならずに受信できれば休眠預金にはならず、引き続き通常どおりの預金として取り扱われます。

では休眠口座(預金)になるとどうなるのか?
政府広報のサイトでは以下のように記載されています。
「10年間、取引などがなく休眠預金となったお金は、金融機関から預金保険機構に移管されます。その後、民間団体を通じて、子ども若者支援、生活困難者支援、地域活性化等支援の3分野において、NPO法人などの民間団体が行う公益活動に活用されます。」

ただし、休眠預金になった後でも、預けていた預金は引き出すことが可能なようで、取引のあった金融機関に、通帳や取引印、本人確認書類等を持参して手続きをすれば引き出しができるそうです。

相続放棄手続き

続いては、相続放棄手続きをしなかった場合。

まず期限についてですが、相続放棄の期限は法律上で決まっています。

① 被相続人が亡くなった事実を知り、かつ自分(相続放棄をする人)が相続人であることを知った時から3か月以内

② 単純承認、限定承認をしていないこと

③ 法定単純承認事由がないこと

法定単純承認や限定承認については、別の記事で書いていますのでそちらをご覧ください。

では相続放棄を期限内にしないと何が起きるのか?
相続登記と違い、相続放棄は罰金(ペナルティ)があるわけではありません。
しかし、相続放棄をしないと手続き自体が出来なくなってしまします。

相続放棄手続きが出来ないとどんなデメリットがあるかというと、例えば被相続人に借金などがあった場合には、その借金を相続人が引き継ぐことになってしまいます。

ただし、借金がある場合の相続放棄手続きは、条件によっては、相続放棄手続きが出来る場合がありますので、一概には手続きが出来なくなるとまでは断言できません。
また別の記事で書こうと思います。

相続税申告

続いては、相続税申告をしなかった場合。

相続税申告は期限があります。
相続があることを知った日(通常は被相続人が死亡した日)の翌日から10ヶ月目までに税申告をする必要がありますが、全ての人が申告が必要なわけではなく、相続税の課税財産が遺産に係る基礎控除額を超える場合にのみ税申告が必要になってきます。

相続税の申告をせずに放置した場合は、ペナルティ(罰金)として延滞税・無申告加算税・重加算税・過少申告加算税をなどが加算されます。

司法書士太田合同事務所からのアドバイス

以上が相続手続きを放置していた場合に起こりえる、デメリットやペナルティ(罰金)についてでした。

相続手続きには、期限があるもの、ないものやペナルティ(罰金)があるものないものと多様です。
また上記で説明した手続きは、主要なものですが、上記で説明した手続き以外にも相続手続きはあるため注意が必要です。

これから相続手続きが控えている方は、自分が行う相続手続きが何で、期限があるものなのか?ある場合の具体的な期間、期限経過してしまった場合のペナルティ(罰金)はいくらかなどを把握しておくのが良いでしょう。

また相続手続きによって、依頼する専門家も変わってきますので注意が必要です。
下記にそれぞれの手続き毎の専門家についてのまとめた表を作りました。

手続きの種類依頼する専門家
相続登記手続き司法書士
相続税申告税理士
相続人同士で協議がつかない弁護士
相続不動産を売却したい不動産業者
遺族年金の請求社会保険労務士

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