太田合同事務所が運営する、相続手続き専門サイトです。豊橋市・湖西市・浜松市・豊川市で相続でお困りの方や相談したい方などに向けたサイトです。手続きの内容や料金などが詳しく載っています。

必要書類

放棄をするのが亡くなった人の配偶者

・亡くなった人の住民票除票または戸籍の附票
(最後の住所がわかる書類)

・亡くなった人の死亡記載のある戸籍謄本
(3か月以内、省略なくすべての記載のあるもの)

放棄をするのが亡くなった人の子供や孫

・亡くなった人の住民票除票または戸籍の附票
(最後の住所がわかる書類)

・亡くなった人の死亡記載のある戸籍謄本
(3か月以内、省略なくすべての記載のあるもの)

・放棄申立人の現在戸籍謄本
(3か月以内、省略なくすべての記載のあるもの)

放棄するのが亡くなった人の実父母、養父母、祖父母

・亡くなった人の住民票除票または戸籍の附票
(最後の住所がわかる書類)

・放棄申立人の現在戸籍謄本
(3か月以内、省略なくすべての記載のあるもの)

・亡くなった人の出生から死亡までのすべての戸籍謄本

※配偶者や子供が相続人としている場合には、先にその人たちが放棄していないと申し立ては受理されません。

放棄をするのが亡くなった人の兄弟姉妹、甥姪

・亡くなった人の住民票除票または戸籍の附票
(最後の住所がわかる書類)

・放棄申立人の現在戸籍謄本
(3か月以内、省略なくすべての記載のあるもの)

・亡くなった人の出生から死亡までのすべての戸籍謄本

・亡くなった人の父母、祖父母で死亡している人の死亡記載のある戸籍謄本

※配偶者や子供が相続人としている場合には、先にその人たちが放棄していないと申し立ては受理されません。

費用

裁判所手数料

申し立て人1人につき 1270円
相続放棄申述受理証明書 1通 150円

司法書士費用

4万4千円(税込み)(弊所の場合)

※相続人1人につきの金額なので、相続人が複数名いる場合は加算される事務所が多いです
※相続放棄申述受理証明書、債権者への通知がある場合には、費用が加算されるケースが多いです

相続放棄の期間

相続放棄の期限ですが、法律上で決まっています。

民法第915条 相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。

 相続人は、相続の承認又は放棄をする前に、相続財産の調査をすることができる。

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上記の条文から、以下のことが要件となることがわかります。

① 被相続人(自分の親など亡くなられた人)が亡くなった事実を知り、かつ自分が相続人であることを知った時から3か月以内

② 単純承認、限定承認をしていないこと

③ 法定単純承認がないこと

単純承認とは?

民法第920条 相続人は、単純承認をしたときは、無限に被相続人の権利義務を承継する。

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上記民法の条文の通りですが、権利や義務を全て承継(引き継ぐ)ことです。
ですので、プラスである財産(土地や建物などの不動産、預貯金、株、金、保険金など)もマイナスの負債(主に借金)などすべてを引き継ぐことになります。

限定承認とは?

民法第922条 相続人は、相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務及び遺贈を弁済すべきことを留保して、相続の承認をすることができる。

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少し分かりずらいですが、限定承認をした場合には、相続人はプラスの財産とマイナスの負債の全てを引き継ぐとしつつも、マイナスの負債については、引き継いだプラスの財産の範囲内でしか責任を負いません。
また引き継いだ財産を処分した範囲で引き継いだ負債の返済に充てることで、それ以上責任を負いません。

この限定承認は相続放棄や単純承認と何が違うのか?

相続放棄との最大の違いは、相続放棄をすると相続権がなくなり、次順位の法定相続人に権利が移るのに対し、限定承認をしても相続人としての立場はそのままです。
例えば、絶対に手放したくない自宅や被相続人(亡くなられた人)の借金がいくらあるかわからない時、他の相続人に迷惑をかけたくない、などの場合に限定承認をすればメリットがあります。

ただデメリットもあります。
限定承認の手続きをするには裁判所に申し立てをしますが、この申し立てを相続人全員でしなければいけません。
また期間制限もありますし、手続きが相続放棄に比べ煩雑です。
上記のことをふまえて、専門家に相談の上どのような手続きをするか判断されることをお勧めします。

法定単純承認とは?

民法第921条 次に掲げる場合には、相続人は、単純承認をしたものとみなす。
 相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき。ただし、保存行為及び第六百二条に定める期間を超えない賃貸をすることは、この限りでない。
 相続人が第915条第1項の期間内に限定承認又は相続の放棄をしなかったとき。
 相続人が、限定承認又は相続の放棄をした後であっても、相続財産の全部若しくは一部を隠匿し、私にこれを消費し、又は悪意でこれを相続財産の目録中に記載しなかったとき。ただし、その相続人が相続の放棄をしたことによって相続人となった者が相続の承認をした後は、この限りでない。

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法定単純承認は、ある行為をした時に、単純承認になってしまうケースですが、1相続財産の処分をした場合 2熟慮期間(民法915条の期間)が経過した場合 3限定承認と相続放棄をした後にそれに背くような行為をした場合の3つ場合になります。

遺産分割協議なども安易に行なってしまうと、法定単純承認になり、自分が相続したことを認めることになってしまい、プラスの財産もマイナスの負債も全て引き継ぐことになりかねないので注意が必要です。

また相続開始を知った日から3ヶ月以内に、相続放棄、限定承認の手続きをしなかった場合にも法定単純承認になってしまいます。
法律上は、相続財産を処分したり、隠匿(隠す行為)などをしても法定単純承認事由になりますのでご注意下さい。

借金が高額な場合には、相続放棄の手続きを考えられると思いますが、プラスの財産や税金面など専門家の意見を聞き、様々な事を総合的に考慮した上で慎重に判断すべきです。

なお過去の裁判例では以下のようなものがあり、参考として掲載しておきます。

法定単純承認事由のなかで、亡くなった人の借金を相続人が死亡保険金をもって支払いをした場合には、法定単純承認事由に当たらないとされています。
(福岡高宮崎支決平成10.12.22家月51巻5号49項)

葬式費用を相続資産から捻出しても、処分には当たらない過去の裁判所の決定があります。ただしこれは、社会的に見て相当な範囲内でという条件がありますので、必要以上に華美な葬儀であると処分とみなされる恐れはあります。
(大阪高等裁判所平成14年7月3日決定(家庭裁判月報55巻1号82頁)

保険金の受取人の指定が相続人になっている場合には、相続分に応じてその人固有の権利(相続財産でない)ため、保険金を受け取ることは、法定単純承認事由ではありません。

借金は相続放棄できる?

被相続人(亡くなられた人)が借金(消費者金融などからの借り入れ)をしていた場合には、その放棄はできるのでしょうか?

結論から申し上げますと、これはできます。

上記で説明した法律によれば、相続放棄をすると、その人は最初から相続人にならなかったものとみなされます
相続放棄の効力についても、民法では規定されています。

民法第939条 相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。

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相続人にならないわけですから、プラスの財産(不動産や預金など)もマイナスの負債(親が残した借金など)もすべて引き継がなくてよくなります。

ですが注意が必要なのが、他にも相続人がいる場合です。
相続放棄の手続きは、相続人毎に家庭裁判所に対して行う手続きですので、自分が相続放棄をしても他の相続人は、放棄したことにはなりません。
ですのでそのような場合には、他の相続人にもお知らせをして、手続きを促すようにしましょう。

司法書士太田合同事務所からのアドバイス

相続放棄は、家庭裁判所を通す手続きですので、一般の人が行うには抵抗があると思います。
自分で行うことが難しいと感じたのであれば、早い段階で司法書士などの法律専門職に依頼してしまいましょう。
もしかしたら、発生している相続のに内容によっては、ご自分で出来るかもしれません。

いずれにしても、下調べをして依頼若しくは手続きをするようにしましょう。

特に自分で手続きをするのであれば、期限の制約もありますし、他の相続人にも影響が出る手続きですので、注意しましょう。
専門職に依頼されるのであれば、どこまで手続きをしてくれて、どこから先は自分で行わなければ行けないのか?
依頼をする前にしっかりと確認をしましょう。

心理的に差し迫っていて、ストレスがかかる状況ではあると思いますが、一旦冷静になってご自分にとって最適な選択肢を選ぶようにしましょう。
弊所でお手伝いできることがありましたら、お気軽にお問い合わせください。

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