以前の記事で、尊厳死宣言書とは?について書きました。

今日は、続きです。

各事項の内容

以前の記事で、尊厳死宣言書には5つの事柄に分けることができると記載しました。

1つずつ解説していきます。

① 尊厳死が認められるための要件の記載

尊厳死が認められる要件としては2つのことがあると言われています。

・担当医師を含む医師2人以上が現代医学では不治の状態にあると認めること

・死期が迫っており延命治療が死の過程を人工的に引き延ばすと判断している

上記の要件がそろっている場合には、延命回避や苦痛を和らげる措置をとった医療関係者は刑事上、民事上の免責が保証されます。

② 尊厳死宣言書の存在を知らせる家族の記載

尊厳死宣言書を作成しても、それを知る人がいなければご本人の意思を医師に告げることはできません。

可能なら尊厳死宣言書を公証役場で作成する際に、立ち会ってもらい謄本を預け、来るときに医師に尊厳死宣言書を示してもらうことができる家族や知り合いの方を記載する必要があります。

③ 担当医師への要望の記載

担当医師に対して、ご本人の意思を最大限尊重してもらうようにお願いする記載をします。

④ 捜査機関(警察や検察)への要望の記載

尊厳死宣言によって延命治療を実施しなかったり、苦痛を和らげる措置をとった医師等に対して捜査機関が殺人等で捜査しないように希望を示す記載です。

これによって医師等は、尊厳死宣言通りの措置が取りやすくなり、本人の意思の尊重につながります。

⑤ 宣言書が真正な意思に基づくことついての記載

当該書面が尊厳死宣言をする人の判断能力がしっかりしているときに作成された尊厳死宣言書であり、今なお効力が持続していることを尊厳死宣言通りの措置を取ろうとする医師等に対して示す内容の記載が必要です。

以上が尊厳死宣言書の具体的な内容と事柄です。

ご覧の通り、尊厳死宣言書は自分の意思を示しつつも、残された人への配慮も考えられた内容である必要があるわけです。

太田合同事務所では、生前対策として尊厳死宣言書以外にも、後見制度のことについても、「認知症対策そうだん窓口」で詳しく書いていますので、そちらも是非ご覧ください。