以前の記事で不動産登記は自分で出来る?について書きました。
今日は、不動産売買で必要になる不動産登記の必要書類についてです。
そもそもどんな手続き?
必要書類の説明をする前に、売買での不動産登記手続きとはそもそもどんな手続きをするのか説明する必要があります。
不動産売買に伴う登記手続きには大きく4つの手続きがあります。
所有権登記名義人住所変更登記(氏名変更など)
不動産登記簿には、所有者の名前とご住所が登記されています。
不動産売買の売主(現在の所有者)の住所氏名と現在の住所氏名が違っている場合には、現状のものに合わせなければ、所有権を移転出来ない決まりが登記法にはあるため、変更登記が必要になってきます。
抵当権抹消登記
売主さんが不動産をご購入された際には、ほとんどの場合で住宅ローンを組んでおり、その不動産に担保が付いています。
不動産売買の契約では、現状ついている担保を消す旨の契約内容になっているケースが通常です。
所有権移転登記
売主から買主への不動産所有権を移転する旨手続きです。
法律では、土地と建物はそれぞれ別々の不動産と解釈されますので、それぞれについて所有権移転登記手続きが必要になってきます。
抵当権設定登記
買主さんは、不動産をご購入される際は、通常住宅ローンを組まれます。
住宅ローンを組むと先ほどの売主さんと同じように、担保設定が必要なため抵当権設定登記が必要になってきます。
所有権移転登記で必要な書類
上記4つの登記手続きは、すべて不動産売買にかかわる手続きですが、今回は所有権移転登記についての必要書類の説明をします。
必要書類は下記になります。
① 登記原因証明情報
当該売買について説明をした書類で、当事者の住所氏名や該当物件の記載、売買契約日、売買契約での特約規定などを記載した書類です。
登記原因証明情報はほとんどの登記手続きで必要になる書類で、文字通り登記手続きの原因になった事柄を表記しています。
② 登記識別情報or登記済証
売主(現所有者)の権利証(登記識別情報又は登記済証)が必要になります。
権利証は、今の所有者が不動産購入されたとき(若しくは贈与や相続で権利を受けたときに)に発行されています。
大昔の権利証だと紛失している恐れがあります。その場合には、あとから記載する本人確認情報が必要になります。
③ 売主の印鑑証明書(現住所のもの、3か月以内)
売主さんは司法書士への委任状には実印を押します。
これは、権利を渡す人の意思表示を明確にするためです。押された印鑑が本当に実印かを確認するには印鑑証明書が必要になります。
また登記簿上の住所氏名と印鑑証明書の住所氏名に違いがないかを確認して売主さんの同一性も確認します。
④ 買主の住民票(現住所のもの)
買主さんは所有権が移転されれば、登記簿上名義が付きます。
登記に載せる正確な住所、氏名の確認が必要になりますので、住民票を付ける必要があります。
⑤ 住宅用家屋証明書
*要件を満たす建物があるときのみ
常に必要な書類ではありませんが、建物が一定の要件を満たしているときに登録免許税を減額できる書類になります。
取得可能なケースでは基本的に必ず取得します。
市役所の資産税課などで所得します。
別の記事で解説しています。
⑥ 司法書士への委任状
銀行融資を伴う不動産売買では、通常司法書士が登記手続きを代行します。
売買の当事者、金融機関、不動産業者からしたら、確実に登記手続きをしてくれないと困るからです。
買主売主双方の司法書士に対する委任状が必要になります。
また売主さんが押印する印鑑は必ず実印です。
上記で示した書類のうち、お客様が実際に準備する書類は、権利証(登記識別情報、登記済証)、印鑑証明書、住民票です。
その他の書類は司法書士が作成し準備するため、お客様はサインと押印をするだけです。
また買主、売主は本人確認書類として免許証やマイナンバーカードなどの提示を要求されます。
次回は決済での抵当権設定登記の必要書類について解説します。
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