以前の記事で、遺留分侵害額請求権(旧法時代の遺留分減殺請求権)について書きました。
今日は遺留分侵害額請求権の消滅時効の話です。
結論から申し上げますと、遺留分侵害額請求権は消滅時効で消えます。
(消滅時効とは長期間、権利を行使しない場合には、その権利は消えますよという民法上の制度です)
①法律では遺留分権利者(法律で最低限の相続分を保証されている人)が、相続の開始と遺留分を侵害する贈与又は遺贈(例えば、相続人でない第三者に相続財産のすべてを相続させる内容になっている遺言など)があったことを知った時から1年間権利を行使しないときは、時効によって消滅します。
②また相続開始の時から10年を経過したときも消滅するとしています。
権利行使とは、消滅時効の権利を相続財産を取得した人に対して意思表示をすることです。
*通常、時効援用の意思表示は内容証明郵便で証拠が残る形で行います
また①の遺留分を侵害する遺言の存在を知らなかったとしても、相続開始から10年経過すると自然に権利が消えてしまいますので、注意が必要です。