以前の記事で、死後事務委任契約は公正証書によるべきか?について書きました。

今日は、死後事務委任契約でできることについてです。

死後事務委任契約と言うための要件は?

死後事務委任契約で出来ることの前に、前提として、そもそも死後事務委任契約というためには、どんな内容である必要があるのでしょうか?

以下の事項であることが死後事務委任では要件です。

1 遺言事項に該当しないこと
*遺言事項とは、法律で定められた遺言で定めることで効力が生じる事柄です。例えば遺産分割の禁止、遺贈、遺言執行者の指定などです。

2士業が行う独占業務などの事務でないこと
*弁護士法、税理士法、社会保険労務士法、宅地建物取引業法、行政書士法などの法令において士業の独占業務と定められている事項は、死後事務委任では委任できません

死後事務委任契約で委任できること

それでは、実際に死後事務委任契約で委任出来ることは実際にどんなことがあるのでしょうか?

具体的には下記のことがあります。

・遺体の引き取り

・葬儀の執行 

・火葬、埋葬

・納骨、永代供養

・生前債務の弁済 

この他にも死後事務委任契約で内容に盛り込むことができる事柄は、あるといわれていますが、なんでもかんでも死後事務委任契約に盛り込むことは避けるべきです。

遺言執行者や相続人がいる場合には、それらの人たちが出来ないような事柄で、死後事務委任とすることが合理的と認められるときに契約内容に盛り込むべきでしょう。

遺言執行者ができるようなこと(例えば、相続人の調査、財産目録の作成、相続手続きなど)は遺言書を作成して、遺言執行者を指定し、遺言執行者が行うべきです。

遺言執行者が行う事務と死後事務委任の事務は明確に区別しておくべきです。

死後事務委任契約のことについても、「認知症対策そうだん窓口」で詳しく書いていますので、そちらもご覧ください。